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歯の根元に楔型のくびれがあります。このままで大丈夫でしょうか?

23.10.12(木)

歯の根元の楔型のくびれってなんでしょう?

こんにちは、皆さん。歯を磨く、食事の後のガムを噛む、定期的な歯医者の診察…私たちの日常の中で、歯のケアは欠かせないものとなっています。しかし、日常の中で見逃されがちな、歯の健康に関する重要なトピックがあります。それは「歯の根元の楔型のくびれ」です。

この「楔のくびれ」という言葉、初めて聞く方も多いかと思います。しかし、この状態は私たちの口内で予期せず進行していることがあります。楔のくびれとは、歯の根元に段差ができ、歯肉との境でくびれたように歯が欠けている状態を指します。特に犬歯から奥の歯でよく見られる現象ですが、実はどんな歯にも起こる可能性があります。

今回は、この楔のくびれについて、その原因から予防方法まで詳しく解説していきます。歯の健康は全身の健康にも直結していますので、ぜひ最後までお付き合いください。

原因は?

歯の根元の楔型のくびれが生じる原因は、実は複数考えられます。以下に主な原因を挙げてみました。

  1. 歯軋りや食いしばり、不正なかみ合わせ:これらの行動や状態により、歯に強い力が加わることで、歯の根元が削れたり欠けたりすることがあります。(諸説あります)
  2. 歯周病:歯周病が進行すると、歯茎が下がり、歯の根元が露出してしまいます。これにより、楔のくびれが生じる可能性が高まります。
  3. 過度な歯磨きや歯の間の掃除:歯磨きは大切ですが、力を入れすぎたり、硬い歯ブラシを使用すると、歯の表面や歯の根元を傷つけることがあります。また、歯間ブラシやフロスを強く使いすぎることも、歯の根元にダメージを与える原因となります。

これらの原因を知ることで、適切なケアや予防策をとることができます。特に、日常の歯磨きの方法や力加減に注意を払うことで、楔のくびれのリスクを低減することができるでしょう。

 

楔のくびれの問題点

楔のくびれが生じると、歯の健康に様々な問題が引き起こされます。以下に、その主な問題点を詳しく解説します。

  1. 歯の表面のデコボコ:楔のくびれにより、歯の表面が不均一になります。これにより、食べ物の残りやすい隙間ができ、細菌の繁殖の原因となります。
  2. 歯磨きの難しさ:歯の表面がデコボコになると、ブラシが届きにくい部分が生じ、十分な清掃が難しくなります。これが虫歯や歯石の原因となることも。
  3. 知覚過敏:歯の根元が露出することで、冷たいものや熱いもの、甘いものなどに対する反応が敏感になります。日常の食事や飲み物での不快感が増加する可能性があります。
  4. 歯周病のリスク増加:歯の根元の露出は、歯茎の炎症や感染のリスクを高めます。長期的には、歯の支えとなる骨が失われる重度の歯周病の原因ともなり得ます。
  5. 歯の強度の低下:楔のくびれが進行すると、歯の構造が弱くなり、折れやすくなることも。特に、硬い食べ物を噛む際には注意が必要です。

 

予防方法

楔のくびれを予防するための方法は、日常のケアや生活習慣の見直しにあります。以下に、その具体的な予防方法を詳しく紹介します。

  1. 正しい歯磨き:歯磨きは、歯ブラシの毛先を45度に傾け、歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨くことが重要です。また、力を入れすぎずに磨くことも大切です。
  2. 適切な歯ブラシの選択:硬すぎる歯ブラシは歯や歯ぐきを傷つける原因となります。柔らかめのブラシを選び、毛先が開いたらためらわずに新しいものに交換することを推奨します。
  3. 硬い食べ物の取り扱い:硬い食べ物を過度に噛むことは、歯に過度な負担をかける原因となります。特に、アイスキャンディーやナッツなどは注意が必要です。
  4. 歯ぎしり・食いしばりの対策:歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、歯科医院での相談をおすすめします。マウスピースやナイトガードの使用が、これらの習慣から歯を守る手段として考えられます。
  5. 定期的な歯科検診:歯の健康状態を定期的にチェックすることで、初期の段階での問題を発見・対処することが可能です。3カ月から半年に1回の検診を目安にしましょう。
  6. バランスの良い食生活:ビタミンやミネラルを含むバランスの良い食事は、歯や歯ぐきの健康を維持する上で欠かせません。

これらの予防方法を日常のケアに取り入れることで、楔のくびれのリスクを大きく減少させることができます。

 

治療方法

楔のくびれの治療は、その原因や進行度によって異なるアプローチが必要となります。以下に、その詳しい治療方法を紹介します。

  1. 歯軋りや食いしばりの対策:これらの習慣が楔のくびれの原因となっている場合、マウスピースやナイトガードの使用が推奨されます。これらの装置は、歯にかかる圧力を分散させることで、楔のくびれの進行を防ぐ役割を果たします。
  2. 歯周病の治療:歯周病が進行して歯茎が下がってしまった場合、まずは歯周病そのものの治療が必要です。スケーリングやルートプレーニングといった処置で、歯石や細菌の除去を行います。重度の場合には、歯周手術が必要となることもあります。治療後は、歯茎を元の位置に戻すためのケアが続けられます。
  3. レジンやセラミックの修復:楔のくびれの部分を、レジンやセラミックで補修することも一つの治療方法です。これにより、歯の形状を元のように回復させることができます。
  4. 生活習慣の見直し:楔のくびれの原因となる生活習慣、特に食生活や口の中のケアについてのアドバイスが行われます。適切なケアや食生活の改善は、再発を防ぐ上で非常に重要です。

 

症状

楔のくびれが進行すると、以下のような症状が現れることが多いです。これらの症状は、楔のくびれだけでなく、他の歯科疾患のサインとしても現れることがあるため、注意が必要です。

  1. 歯の根元の段差やくびれ:最も典型的な症状で、歯の根元に明確な段差やくびれが感じられる。
  2. 歯磨きの困難:歯の表面がデコボコになることで、歯ブラシが届きにくい部分が生じ、歯磨きが難しくなります。
  3. 冷たい・熱いものを噛むとの痛み:歯の根元が露出することで、温度変化に敏感になり、特に冷たいものや熱いものを摂取する際に痛みを感じることが増えます。
  4. 歯肉の腫れや出血:歯の根元の露出や歯石の蓄積により、歯肉が炎症を起こし、腫れや出血を伴うことがあります。
  5. 知覚過敏:歯の根元の露出により、甘いものや酸っぱいものにも過敏に反応することがある。
  6. 色の変化:楔のくびれの部分が黄ばんだり、暗くなったりすることがあります。
  7. 歯の動き:楔のくびれが進行すると、歯の固定が弱まり、歯が動くことがある。

これらの症状が現れた場合、楔のくびれの可能性が考えられますが、他の歯科疾患の可能性もあるため、早めに歯科医院での診察を受けることをおすすめします。

 

歯の健康は、私たちの全身の健康と深く関連しています。楔のくびれは、多くの人が知らないか、または見逃してしまう症状ですが、放置するとさまざまな問題を引き起こす可能性があります。日常のケアや生活習慣の見直しを通じて、この症状の予防や早期発見を心がけることが大切です。

もし、上記の症状のいずれかに該当すると感じた場合は、早めに歯科医院での診察を受けることを強くおすすめします。そして、日常生活の中での正しい歯のケアや食生活の見直しを行い、歯の健康を長く維持するためのステップを踏んでいきましょう。歯の健康は、笑顔の源。皆さんの美しい笑顔が、これからもずっと続くことを願っています。

 

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

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