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睡眠中の歯ぎしりについて教えてください

23.10.10(火)

睡眠中の歯ぎしりについて教えてください

夜、静かな部屋で深い眠りについているはずなのに、突如として聞こえてくる「キュッ、キュッ」という音。それは、あなたや家族が無意識のうちに行っている「歯ぎしり」の音かもしれません。この音は、ただの癖や習慣として片付けられるものではありません。実は、その背後にはさまざまな原因や健康への影響が隠れているのです。今回は、この睡眠中の歯ぎしり、専門的には「ブラキシズム」とも呼ばれる現象について、その原因から治療法まで詳しく解説していきます。

  1. 歯ぎしりとは?

歯ぎしり、またはブラキシズムとは、主に睡眠中に無意識に歯を強く噛みしめたり、すり合わせたりする行為を指します。この現象は、日常生活の中で気づきにくいものの、実は多くの人々が経験している問題です。

歯ぎしりは、単なる癖や習慣として片付けられるものではありません。実際には、この行為は、睡眠時無呼吸症候群や顎関節症などの症状を悪化させる可能性があります。特に、顎関節症は、顎の関節や筋肉に痛みや不快感をもたらす症状であり、歯ぎしりが継続することでこれらの症状が進行することが知られています。

さらに、歯ぎしりは歯のエナメル質を削り取ることがあり、これが原因で歯が敏感になったり、虫歯や歯周病のリスクが高まることもあります。

そのため、歯ぎしりの早期発見と治療は、口腔の健康だけでなく、全身の健康を守るためにも非常に重要となります。

 

  1. 原因

歯ぎしりの原因は多岐にわたりますが、以下の要因が主に関与していると考えられています。

  • ストレス:現代社会において、多くの人々が様々なストレスを抱えて生活しています。仕事、家庭、人間関係などの日常のストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れ、睡眠の質が低下します。この結果、無意識に咬筋に力が入ることが増え、歯ぎしりの原因となることがあります。
  • 睡眠不足:現代人は忙しさやスマートフォンの使用などで、十分な睡眠を取ることが難しくなっています。質の良い睡眠が取れないと、深い眠りに入ることができず、筋肉がリラックスしきれない状態が続くことで、歯ぎしりを引き起こしやすくなります。
  • 歯並びや噛み合わせの異常:歯の位置や噛み合わせが正常でない場合、上下の歯が適切に接触しないことがあります。このような状態が続くと、歯を適切な位置に持っていこうとする無意識の動きが生じ、これが歯ぎしりの原因となることが考えられています。

 

  1. 症状

歯ぎしりには、以下のような症状が伴うことがあります。

  • 朝起きると顎が痛い
  • 歯のすり減り
  • 歯の欠けや割れ
  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • 肩こり
  1. 治療

歯ぎしりの治療は、原因や症状の程度に応じて選択されます。

  • マウスピースの装着:歯が強く噛み合わないようにする専用の装置です。これにより、歯や顎関節への負担を軽減し、歯の摩耗や顎関節症の進行を防ぐことができます。
  • 薬物療法:抗てんかん薬のクロナゼパムは、筋肉の緊張を和らげる効果があります。これにより、睡眠の質を改善し、歯ぎしりの頻度や強度を軽減することが期待できます。ただし、長期的な使用には副作用のリスクもあるため、医師の指示に従って使用することが重要です。
  • 心理療法:ストレスや不安が歯ぎしりの主な原因である場合、心理療法を通じてその原因を探り、適切な対処法を学ぶことで、歯ぎしりの軽減が期待できます。リラクゼーション技法や認知行動療法などが有効です。
  1. 予防

歯ぎしりの予防は、日常生活の中での意識が鍵となります。

  • ストレスを溜めない:リラクゼーションや趣味を持つことで、日常のストレスを解消することが大切です。
  • 十分な睡眠をとる:定期的な生活リズムを保ち、良質な睡眠を確保することで、歯ぎしりのリスクを低減できます。
  • カフェインやアルコールの摂取を控える:これらの摂取は、神経を興奮させることがあり、歯ぎしりの原因となることが知られています。
  • 歯並びや噛み合わせの異常を早期に発見し、治療する:定期的な歯科検診を受けることで、早期に問題を発見し、適切な治療を受けることができます。

まとめ

歯ぎしり、またはブラキシズムは、多くの人々が経験する問題であり、その原因や影響は多岐にわたります。ストレス、睡眠不足、歯の異常などが主な原因として挙げられ、これにより顎の痛みや歯の摩耗などの症状が現れることがあります。治療や予防の方法も様々ですが、日常生活の中での意識や早期の対処が非常に重要です。

歯ぎしりは、単なる習慣や癖として無視することはできません。その背後には、口腔の健康や全身の健康への影響が潜んでいます。定期的な歯科検診や生活習慣の見直しを通じて、歯ぎしりのリスクを低減し、健康な毎日を過ごしましょう。

 

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

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