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歯周病とギネスブック:日本の歯周ポケット保有率の実態

23.09.29(金)

ブログタイトル:歯周病とギネスブック:日本の歯周ポケット保有率の実態


「ギネスブックに名を刻むほどの疾患、それが歯周病。」 この一文だけで、多くの人々が歯周病の深刻さを感じ取ることができるでしょう。私たちの口内には、見えない敵が潜んでいます。それは、歯周病を引き起こす細菌たち。そして、この敵との戦いは、一度始まると終わりがありません。日本人の多くがこの戦いに巻き込まれていることをご存知でしょうか?

 

歯周病は、私たちの健康にとって大きな脅威となる疾患の一つです。そして、その脅威の大きさを物語る驚愕の事実があります。2001年、ギネスブックは歯周病を「世界で最も蔓延している感染症」として認定しました。これは、単なる数字や統計以上のもの。世界中の人々が、この疾患によってその健康を脅かされているという現実を示しています。この事実を前にして、私たちが歯周病に対する認識と予防をより一層深める必要があるのは明らかです。

 

日本の状況を考えると、驚くべき数字が浮かび上がります。2018年、厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、日本の30歳以上の大多数、実に約8割の人々が歯周病の影響を受けているのです。これは、10人中8人が歯周病のリスクを抱えているということ。そして、さらに衝撃的な事実があります。日本で歯を失う主な原因、そのトップは歯周病。その占める割合は37.1%。これは、3人に1人以上が歯周病のために歯を失っているという現実を示しています。この数字は、歯周病の深刻さと、私たちが直面している健康上の課題を如実に示しています。

 

歯周病とは何か?

歯周病は、歯の周りの組織を破壊する感染症です。原因となるのは、歯垢や歯石に付着した細菌。これらの細菌が歯周組織に炎症を起こすことで、歯周病が発症します。初期段階では「歯肉炎」として現れ、放置すると「歯周炎」へと進行します。この炎症が進行すると、歯がグラグラになり、最終的には歯が抜け落ちる可能性も。さらに、歯周病は全身の健康にも影響を及ぼす可能性が指摘されており、心臓病や糖尿病との関連も研究されています。

日本の歯周ポケット保有率

歯周ポケットとは、歯と歯茎の間の隙間のことを指します。健康な状態ではこの隙間は浅いのですが、歯周病が進行すると深くなります。この隙間が4mm以上になると、それは歯周病が進行している明確なサインとなります。そして、この歯周ポケットの深さは、歯周病の進行度を示す重要な指標とされています。

 

日本の年齢別の歯周ポケット保有率は以下の通りです:

  • 20歳代:23.5%
  • 30歳代:40.4%
  • 40歳代:54.7%
  • 50歳代:66.1%
  • 60歳代:72.8%
  • 70歳代:78.4%
  • 80歳以上:80.9%

これらの数字を見ると、特に高齢者層での歯周病の進行が顕著であることがわかります。また、これは高齢者が口腔ケアを怠りがちであること、加えて加齢に伴う免疫力の低下が影響しているとも考えられます。このため、年齢を重ねるごとに、定期的な歯科検診や適切な口腔ケアの重要性が増してくるのです。

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歯周病の予防

歯周病の予防は、日常の口腔ケアが鍵です。以下の対策を実践しましょう:

  1. 毎日の歯磨きと歯間ケア
  2. 定期的な歯科検診とクリーニング
  3. 喫煙の控え
  4. バランスの良い食事
  5. 十分な睡眠

これらの対策を実践することで、歯周病のリスクを低減し、健康な歯を保つことができます。

 

まとめ

歯周病は、その名がギネスブックに刻まれるほどの普及率を持つ、全世界で認識される健康問題です。特に日本では、高齢者を中心にその影響を強く受けており、私たち一人ひとりが直面する可能性のあるリスクとして存在しています。しかし、適切な予防策と日常のケアを実践することで、このリスクは大きく低減することが可能です。健康な口腔は、全身の健康をも支える基盤となります。日常のケアを怠らず、定期的な歯科検診を受けることで、私たちは健康な歯を一生涯保つことができるのです。歯周病という見えない敵との戦いに、適切な知識とケアで立ち向かいましょう。

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

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