Q&A キシリトールについて
22.08.18(木)
キシリトールは白樺や樫などの木から取れるキシランヘミセルロースと言う糖分を原料にして工業的に作られています。
ソルビトールやマルチトースと同じ糖アルコールの1種でイチゴなどにも含まれています。また砂糖と同じ程度の甘さで、口に含むと溶ける時に熱を奪うので冷たい感覚があり、チューイングガムやタブレットなどに使用されています。
日本では1997年4月に厚生労働省より食品添加物として認可されているほか国連食糧農業機関や世界保健機構もその効果を認めています。
虫歯菌は糖分を分解して酸を作り出すことで歯の表面が溶け出しこれが虫歯の原因となりますが、キシリトールは虫歯菌(特にミュータンス菌)によって分解されないため酸を作らせません。またキシリトールは甘みがつよいのでその刺激によって唾液も出やすくなります。
ミュータンス菌はエネルギーを使ってキシリトールを菌の中に取り込むのですが、菌の中ではそれを利用できないために再びエネルギーを使って外にキシリトールを排出します。
これを繰り返すことでエネルギーの無駄遣いを繰り返します。この無駄遣いによってミュータンス菌が増殖するとか、プラークを作ることが部分的に抑えられるのです。
また、キシリトールとカルシウムが結合して歯の表層に潜り込み再石灰化を促進して歯を硬くするありがたい作用もあります。
キシリトールによって歯を守るには、キシリトールが口の中に長くとどまっていないとその効果は期待できません。またキシリトールが50%以上配合されている事と、砂糖が含まれていないことが必要です。
これらの条件を満たした食品として虫歯予防の効果を期待できるものはチューイングガムとかタブレットであり、1日3回 3ヶ月以上継続することが良いと言われています。
購入の際はパッケージにある成分表をよく見てキシリトールの割合が50%以上で糖類が入っていないことを確認してください。
食後にキシリトール入りのガムやタブレットを摂取した後に歯磨きをすることが効果的です。歯磨きのポイントは、歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシを、噛むところや歯の根本にはしっかりと歯ブラシの毛先が当たるように丁寧に磨いてみましょう。
キシリトールを使用しているからといって虫歯になるわけではありません。またプラークがなくなるわけではありませんのでしっかりとした口腔ケアは必要です。
歯学博士 歯科医師