【帯広の歯学博士が伝授】1日3分で「唾液力」アップ!自宅でできる3つの対策と“セルフケアの限界”(唾液シリーズ第5回)
26.09.02(水)
帯広市のいしかわ歯科(歯科医師・歯学博士)が、ご自宅で今日から簡単にできる唾液を増やす方法(唾液腺マッサージや水分補給のコツなど)を3つご紹介します。同時に、どんなに頑張ってもセルフケアだけでは絶対に落とせない「バイオフィルム」の脅威についてもお伝えします。
■ はじめに:失われた「お口の潤い」を取り戻すために
こんにちは。北海道帯広市の「いしかわ歯科」院長(歯科医師・歯学博士)です。
これまで4回にわたり、唾液が減ることの恐ろしさや、シニア世代の誤嚥性肺炎リスク、そして子どもたちの歯の育成に至るまで、唾液がいかに重要かをお伝えしてきました。
これまでの記事をお読みいただき、「自分の口の渇きが気になってきた」「どうすれば唾液を増やすことができるの?」と、具体的な対策を知りたくなっている方も多いと思います。
そこで第5回となる今回は、ご自宅で今日からすぐに始められる「唾液力をアップさせる3つの実践法」をご紹介します。そして記事の後半では、皆さまのお口を本当に守り抜くためにどうしても知っておいていただきたい、「セルフケアの残酷な限界」についてもお話しします。
まずは、ご自身でできる3つの対策から見ていきましょう。
■ 自宅でできる「唾液力」アップ!3つの対策
1. 一口30回!「よく噛む」ことを意識する
唾液を分泌させる最も自然で、かつ強力なスイッチは「噛む刺激」です。現代の食事はハンバーグや麺類など柔らかいものが多く、無意識のうちに噛む回数が激減しています。食事の際は「一口30回」を目安によく噛み、味わって食べることを意識してください。テレビを見ながらの「ながら食べ」をやめるだけでも、噛む回数は自然と増えていきます。
2. こまめな「水分補給」で体を潤す
唾液の原料は、体内の「水分」です。体が水分不足(脱水気味)になると、防衛本能として真っ先にお口の唾液の分泌量が落とされてしまいます。
汗をかくと体内の水分はどんどん失われます。「喉が渇いた」と感じた時には、すでにお口の中はカラカラになっています。一度に大量の水を飲むのではなく、コップ1杯程度のお水や麦茶を、1日を通じて「こまめに」飲む習慣をつけてください。
(※利尿作用のあるコーヒーや緑茶、アルコールは、かえって体内の水分を奪うことがあるため、純粋なお水での水分補給を心がけましょう)
3. 1日3分の「唾液腺(だえきせん)マッサージ」
お顔の周りには、唾液を分泌するための大きな器官である「唾液腺」が3つあります。ここを外側から優しく刺激してあげることで、じわっと唾液が湧き出てきます。
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耳下腺(じかせん): 耳たぶの少し前、上の奥歯のあたりにあります。人差し指から小指までの4本の指を当て、優しく円を描くように10回ほどマッサージします。
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顎下腺(がっかせん): 顎の骨のエラから、下あごの裏側にかけての柔らかい部分です。親指をあごの骨の内側に当て、耳の下からあごの先に向かって優しく押し上げます。
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舌下腺(ぜっかせん): 下あごの先端の、ちょうど真下あたりです。両手の親指を揃えて当て、下から上に向かってグッと優しく押し上げます。
お風呂に入って湯船に浸かっているときや、テレビを見ている合間など、リラックスした状態で毎日3分間、実践してみてください。
■ 歯学博士としてお伝えしたい「セルフケアの残酷な限界」
よく噛み、水分を摂り、マッサージをする。これらの方法でお口の潤いを取り戻そうとする努力は、予防の第一歩として非常に素晴らしいことです。
しかし、ここで一つ、歯科医師として皆さまにどうしてもお伝えしなければならない「残酷な真実」があります。
それは、「どれだけ唾液を増やし、毎日時間をかけて丁寧に歯磨きをしたとしても、自分自身の力(セルフケア)だけでは『絶対に落とせない汚れ』がある」ということです。
お口の中の細菌は、放置されると「バイオフィルム」という強固なバリアを作ります。これは、キッチンの排水溝にこびりつく「ヌメリ」と全く同じものです。このバイオフィルムや、それが石のようにカチカチに固まった「歯石」は、どんなに大量の唾液が出ても、どんなに強い力でゴシゴシと歯磨きをしても、決して洗い流すことはできません。
この汚れが歯にへばりついている限り、せっかく増やした唾液の「抗菌成分」も「歯を修復する成分(ミネラル)」も、バイオフィルムに弾き返されてしまい、肝心の歯の表面まで届かないのです。
防衛線が届かないバリアの下では、むし歯菌や歯周病菌が安全に守られながら、あなたの歯や歯ぐきを容赦なく破壊し続けます。
■ 次回の予告:セルフケアとプロのケアの「最強の組み合わせ」
ご自宅でのケアだけで、お口の健康を完璧に守り切ることは不可能です。バイオフィルムや歯石という「お口のバリア機能の邪魔者」を物理的に破壊し、リセットする必要があります。
そこで次回はいよいよ最終回です。「【帯広の歯学博士が提案】セルフケア+プロの力で守り抜く!いしかわ歯科の『唾液力を活かした予防歯科』」というテーマで、当院が行っている専門的なアプローチについてお話しします。
皆さまの「唾液の力」を100%引き出すために、私たちがどのようなサポートを提供できるのか。ぜひ最後までお付き合いください!
■ まとめ&よくある質問
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Q. 唾液を増やすためのマッサージは、どこを押せばいいですか?
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A. 主に3つの「唾液腺」をマッサージします。耳たぶの少し前(耳下腺)、下あごの骨の裏側のライン(顎下腺)、あごの先端の真下(舌下腺)です。指の腹を使って、痛気持ちいい程度の力で優しく押したり、円を描くように刺激したりすると、じわっと唾液が出てくるのを感じられます。
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Q. 唾液がたくさん出るようになれば、歯磨きはサッと終わらせても大丈夫ですか?
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A. 絶対にNGです!唾液の自浄作用や抗菌作用は強力ですが、すでに歯にこびりついてしまった細菌の膜(バイオフィルム)や歯石を溶かして落とす力はありません。毎日の丁寧な歯磨きはもちろんのこと、セルフケアでは落とせない汚れを「歯科医院での専用クリーニング」で定期的に取り除くことが不可欠です。
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この記事を書いた人
いしかわ歯科 院長
【帯広】いしかわ歯科 院長:石川
(歯科医師・歯学博士)
帯広市で20年以上にわたり地域医療に従事。「予防に勝る治療なし」をモットーに、子供から大人まで、科学的根拠に基づいた歯科治療を提供している。
ご予約・お問い合わせ
[電話番号] 0155-35-2442
帯広市西21条南2丁目26-3 Googleマップで見る





