ブログ|帯広市西21条南で歯科をお探しの方はいしかわ歯科まで

メニュー

歯石とは何でしょか?

23.10.14(土)

歯石って何?

私たちの口の中は、常にさまざまな変化と戦いの舞台です。食事を楽しむ一方で、その後のケアを怠ると、歯や歯ぐきに悪影響を及ぼす可能性があります。特に、歯石は多くの人々が経験する問題で、放置するとさまざまな口腔のトラブルの原因となります。しかし、実際には「歯石って何?」と疑問に思う人も少なくないでしょう。この記事では、歯石の成り立ちから、その予防方法まで詳しく解説します。正しい知識を持つことで、健康な口腔を保つ手助けとなることを願っています。

  1. どのように作られるの?

歯石は、歯垢が石灰化したもので、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間にできやすいです。歯垢は、食べ物や飲み物に含まれる糖やデンプンを栄養源として増殖する細菌の塊。この細菌たちは、食物の残りかすや唾液と結合して、歯の表面に付着します。放置すると、唾液のカルシウムやリン酸が歯垢に沈着し、石灰化します。この石灰化の過程は、温度やpH、唾液の成分によっても影響を受けます。

約2~3日で石灰化し始めると、歯石へと変わり、除去が難しくなります。歯石の表面は細菌がつきやすく、むし歯や口臭、歯周病のリスクが上がります。特に、歯石の下にはさらに多くの細菌が隠れており、これが炎症や感染の原因となることも。

歯石の除去は、歯磨きだけでは難しいため、歯科医院での専門的な処置が必要です。歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使用して、歯石を慎重に取り除きます。予防としては、毎日の正しい歯磨きが大切。特に、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間を丁寧に磨くこと、食後のうがいやフッ素入りの歯磨き粉の使用が効果的です。さらに、定期的な歯科検診を受けることで、初期の歯石を早期に発見・除去することができ、大きなトラブルを予防することができます。

 

  1. 歯石の分類はあるの?

歯石には、主に2つの種類があります。

  • 歯肉縁上歯石:歯肉より上にできるもの。白色や黄色で、比較的除去しやすい。この歯石は、日常の食事や飲み物、喫煙などの生活習慣によって色が変わることもあります。また、その形成は、口の中のpHバランスや唾液の成分、食事の内容などに影響されます。
  • 歯肉縁下歯石:歯肉より下にできるもの。黒褐色で、歯周病の原因となる。この歯石は、歯肉のポケットの中や歯の根の部分に形成されるため、目視での確認が難しく、専門的な検査や器具が必要です。

初期の歯肉縁上歯石は、歯磨きや歯間ブラシで除去可能ですが、蓄積した歯肉縁上歯石や歯肉縁下歯石は専門的な処置が必要です。特に、歯肉縁下歯石の除去は、歯科医師や歯科衛生士によるスケーリングやルートプレーニングといった治療が行われます。

また、歯石は形成される場所によっても分類されます。

  • 歯面に付着した歯石:歯の表面、特に噛み合わせる部分や歯の外側に形成される歯石です。これは、食物の残りかすや飲み物の成分、喫煙などの影響を受けやすい部分です。
  • 歯根面に付着した歯石:歯の根の部分、特に歯肉の下に形成される歯石です。この歯石は、歯周病の進行と密接に関連しており、歯の支えとなる骨や組織の破壊を引き起こす可能性があります。

歯石の形成を予防するためには、日常の正しい歯磨きやフロス使用、定期的な歯科検診が非常に重要です。また、食生活の見直しや喫煙の中止も、歯石の形成を抑える助けとなります。

 

  1. 病原性はどうなのか?

歯石自体には病原性はありませんが、歯周病の原因となるため、間接的には病原性があります。歯石の表面はザラザラしており、歯垢が付着しやすく、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。この細菌の中には、歯肉の炎症を引き起こすものや、歯槽骨を破壊するものが含まれています。

歯周病は、初期段階では歯肉炎として現れ、歯ぐきが赤く腫れたり、簡単に出血したりします。放置すると、歯周病は進行し、歯槽骨が破壊される歯周炎の段階へと移行します。この状態が続くと、歯がグラグラと動くようになり、最終的には歯が抜け落ちる可能性もあります。

さらに、歯周病は口腔内だけの問題ではありません。近年の研究では、歯周病が心臓病や糖尿病、リウマチなどの全身の疾患と関連していることが示唆されています。これは、歯周病の細菌が血流に乗って全身を巡り、他の臓器に影響を及ぼす可能性があるためです。

歯石を除去することで、歯周病の予防や進行を抑えることができます。また、歯石の除去は、全身の健康を維持するための重要なステップとも言えます。定期的な歯科検診や適切な口腔ケアを行うことで、歯石の形成を最小限に抑え、健康な口腔を保つことができます。

 4.まとめ

歯石は、私たちの口腔衛生において無視できない要因となっています。その成り立ちや種類、そして歯周病との関連性を理解することは、健康な口腔を維持するための第一歩です。日常のケアや定期的な歯科検診は、歯石や歯周病のリスクを大幅に減少させることができます。また、口腔の健康は全身の健康にも密接に関連しているため、歯石のケアは全体的な健康管理の一部として捉えるべきです。この記事を通じて、歯石の予防やケアの重要性についての認識を深め、日々の生活の中での適切なケアを心がけるきっかけとなれば幸いです。健康な口腔は、笑顔と共にあなたの生活の質を向上させる鍵となります。

 

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

院長紹介はコチラから