ブログ|帯広市西21条南で歯科をお探しの方はいしかわ歯科まで

メニュー

酸蝕症とは?原因や症状、予防法を解説

23.10.02(月)

酸蝕症とは?原因や症状、予防法を解説

 

はじめに

私たちの日常の食生活は、色とりどりの飲み物や食べ物で彩られています。それぞれのアイテムには、さまざまな成分や栄養素が詰まっており、それが私たちの健康や生活の質に影響を与えています。しかし、その中には、私たちの歯にとって好ましくない、あるいはダメージを与える可能性のあるものも潜んでいます。特に、酸性の成分は、歯にとって大きな敵となることがあります。

酸蝕症とは、この酸性成分が原因となって歯がダメージを受ける症状の一つです。むし歯とは異なるこの症状は、多くの人々にとって知られざるリスクとなっています。今回は、この酸蝕症について、その原因から予防方法まで、詳しく解説していきます。

 

酸蝕症とは何か

酸蝕症とは、酸によって歯が溶ける症状のことを指します。この症状は、歯のエナメル質や象牙質が酸によって直接溶解することで生じます。むし歯とは異なり、この症状は細菌の関与がない点が特徴です。むし歯は細菌が糖分を分解して酸を産生し、その酸が歯を溶かすのに対して、酸蝕症は外部からの酸が直接歯に作用することで起こります。

日常生活で摂取する飲食物の中には、歯に対して酸性の影響を及ぼすものが多く存在します。特に、炭酸飲料やフルーツジュース、一部のスナック菓子などはpH値が低く、酸性が強いため、これらを頻繁に摂取すると酸蝕症のリスクが高まります。

また、胃酸の逆流や過度な嘔吐も酸蝕症の原因となることがあります。これは、胃酸が口腔内に入ることで歯に直接酸が作用するためです。

 

酸蝕症の原因

酸蝕症の主な原因は、飲み物や食べ物に含まれる酸です。特に、炭酸飲料やスポーツドリンク、フルーツジュースなどの酸性飲料は、頻繁に摂取することで酸蝕症のリスクを高める可能性があります。これらの飲料のpH値は低く、歯のエナメル質を溶解する能力が高いため、継続的な摂取は歯にダメージを与えることが確認されています。

さらに、酸性の食品、例えば、トマトや柑橘類、ピクルスや酢を多く含む食品も、酸蝕症の原因となることがあります。これらの食品を摂取した後、すぐに歯を磨くと、歯のエナメル質が柔らかくなっている時に摩擦がかかるため、さらにダメージを受けやすくなります。

また、過度な吐き気や胃酸の逆流、摂食障害などが原因で頻繁に嘔吐すると、胃酸が口腔内に入り、歯に直接酸が作用することで酸蝕症を引き起こすことが知られています。特に、夜間の逆流は気づきにくく、長時間歯に酸が作用するため、リスクが高まります。

 

酸蝕症の症状

酸蝕症の症状は、その進行度によって異なります。

  • 初期症状: 酸蝕症の最も初期の症状として、歯の表面が白く濁ることがあります。これは、エナメル質の表面がわずかに溶けることで生じる現象です。この段階では、症状は逆転可能で、適切なケアを行うことで回復することが期待されます。
  • 中期の症状: 症状が進行すると、エナメル質がさらに溶け、歯の表面に微細な凹みや穴が現れることがあります。また、歯の色が黄色くなったり、透明感が失われたりすることも。これは、エナメル質の下にある象牙質が露出するためです。
  • 進行した症状: 酸蝕症がさらに進行すると、歯の根元や歯肉の下の部分までダメージが及び、歯が割れやすくなったり、歯の形が変わったりすることがあります。また、象牙質が大きく露出すると、冷たいものや熱いものを摂取した際の歯の敏感さが増すことも。

さらに、酸蝕症が進行すると、噛む力が弱くなったり、歯が欠けやすくなるなどの問題が生じることもあります。このような状態になると、治療が必要となる場合が多く、放置すると歯の喪失リスクも高まります。

 

酸蝕症の予防

酸蝕症を予防するためには、日常生活の中での注意点やケアが必要です。以下の方法を取り入れることで、酸蝕症のリスクを低減することができます。

  • 酸性飲料の摂取を控える: 酸性の強い飲料は、歯のエナメル質を溶解させる原因となります。特に炭酸飲料やフルーツジュースは要注意。もし摂取する場合は、ストローを使用して歯に直接触れないようにすると良いでしょう。
  • 飲食後はすぐに口をすすぐ: 飲食後に口をすすぐことで、口の中のpHバランスを早く正常に戻すことができます。特に酸性の食品や飲料を摂取した後は、水で口をすすぐことをおすすめします。
  • 歯磨きの際には、歯磨き粉をしっかりすすぐ: 歯磨き粉に含まれる研磨剤が、酸で柔らかくなったエナメル質を傷つけることがあるため、しっかりとすすぐことが重要です。
  • フッ素入りの歯磨き粉を使用する: フッ素は、エナメル質を強化し、酸による溶解を防ぐ効果があります。日常のケアにフッ素入りの歯磨き粉を取り入れることで、酸蝕症の予防に役立ちます。
  • 定期的な歯科検診を受ける: 歯科医師や歯科衛生士による定期的な検診やクリーニングは、酸蝕症の初期症状を早期に発見し、適切なケアやアドバイスを受けることができます。

さらに、酸性食品を摂取した後は、すぐに歯を磨かず、30分程度時間を置くことも推奨されています。これは、酸によって柔らかくなったエナメル質を保護するためです。

 

まとめ

酸蝕症は、日常の飲食習慣や生活習慣が原因となることが多い症状です。特に、酸性の飲食物の摂取や胃酸の逆流などが、歯のエナメル質を溶解させる要因となります。しかし、適切なケアと予防策を取ることで、リスクを低減することが可能です。これには、飲食の選択、口腔ケアの方法、そして定期的な歯科検診が大切です。

また、酸蝕症の初期症状を早期にキャッチすることで、進行を防ぐことができます。そのため、歯の変化や不快感を感じたら、早めに歯科医師の診察を受けることをおすすめします。

健康な歯は、全身の健康にも繋がります。日常のケアを大切にし、酸蝕症から歯を守るための習慣を身につけましょう。

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

院長紹介はコチラから