歯に色が付く理由を教えて!
23.09.16(土)
歯に色が付く理由を教えて!
こんにちは、皆さん。歯の色が気になるという方、多いのではないでしょうか。歯が白いということは笑顔が明るく、自信を持って話すことができるため、非常に重要な要素です。今日は、歯に色が付く主な理由と、その予防方法についてお話します。
歯に色が付く原因:外因性と内因性
歯に色が付く主な原因は大きく分けて2つです。
外因性の原因
まず一つ目は、外からの影響で色が付く「外因性の原因」です。このタイプの変色は、食べ物や飲み物、タバコのヤニなどによって引き起こされます。
例えば、カレー、コーヒー、紅茶、ワインなどは、色素が豊富で歯に容易に着色します。さらに、タバコには多くの着色物質が含まれているため、喫煙をしていると歯が黄ばみやすくなります。
外因性の原因による歯の着色メカニズム
歯が色づく過程は非常に微細なレベルで起こりますが、大まかに言えば「物理的な付着」と「化学的な結合」の2つの方式で歯に色が付くと考えられます。
物理的な付着
- 食物残渣や飲み物の微粒子:カレー、コーヒー、紅茶、ワインなどの食べ物や飲み物には色素が含まれています。これらを摂取すると、その微小な粒子が歯の表面に付着することがあります。
- プラークや歯石の蓄積:口内には常にプラーク(歯垢)が形成され、これが硬化して歯石になる場合もあります。プラークや歯石は色素を吸着しやすい性質があり、これが歯に色を付ける一因となります。
化学的な結合
- タンニンなどのポリフェノール類:紅茶やワイン、コーヒーに含まれるタンニンなどのポリフェノール類は、歯のエナメル質と化学的に反応して着色する場合があります。
- タバコのヤニ:タバコのヤニは非常に多くの化学物質で構成されています。これらの物質が歯のエナメル質や象牙質と化学的に結合し、黄ばみや黒ずみを引き起こします。
このように、外因性の原因で色が付く場合は、物理的な付着と化学的な結合が主なメカニズムです。特に、喫煙や着色しやすい食べ物・飲み物を頻繁に摂ると、これらの過程が加速され、見た目にも明らかな変色が見られるようになることがあります。
予防方法としては、食後や飲酒後、喫煙後にすぐに歯を磨くこと、定期的に歯科医でのクリーニングを受けることなどが効果的です。特にタンニンやタバコのヤニなど、化学的な結合を引き起こす成分には、専門的なクリーニングが有用である場合もあります。
内因性の原因
次に、歯そのものの内部要因で色が変わる「内因性の原因」があります。これは遺伝や加齢、あるいは薬剤の影響によって起こります。
遺伝的要素で言えば、親や祖父母が歯が黄ばみやすい体質であれば、その傾向が継承される可能性があります。また、年齢を重ねることで歯のエナメル質が薄くなり、象牙質の色が透けて見えるようになることもあります。薬剤の副作用としては、一部の抗生物質を長期にわたって服用すると、歯が黒ずむ場合があります。
内因性の原因による歯の変色メカニズム
内因性の原因で歯が変色する場合は、主に歯の内部構造、すなわち象牙質が影響を受けます。このため「付着する」というよりは「変化する」と表現した方が適切かもしれません。以下は主な変色メカニズムです。
遺伝的要素
- 体質的な傾向:親や祖父母の歯が黄ばむ体質であれば、その遺伝子が受け継がれることで、象牙質が黄ばみやすい体質となる場合があります。これは遺伝子レベルでの影響なので、外から何かが「付着する」わけではありません。
加齢
- エナメル質の摩耗:年齢と共にエナメル質が摩耗して薄くなり、その下にある黄色い象牙質が透けて見えるようになります。これもまた、何かが「付着する」わけではなく、歯そのものの構造が変わるということです。
薬剤の影響
- 一部の抗生物質:特定の抗生物質(例:テトラサイクリン)を特に若い年齢で長期間使用すると、これが象牙質に取り込まれ、歯が灰色や黒ずむ場合があります。
- フッ素の過剰摂取:これらの成分が体内で過剰に吸収されると、象牙質に結合し、斑点をつけたりする可能性があります。
以上のような内因性の原因による歯の変色は、外部から何かが付着するわけではなく、歯そのものの成分や構造が変わることで起こります。したがって、このタイプの変色には一般的な歯磨きや歯科でのクリーニングでは対応が難しく、専門的な治療が必要となる場合が多いです。もし内因性の原因での変色が気になる場合は、歯科医と相談して最適な治療方法を探ることが重要です。
歯の黄ばみを予防するには?
気になる歯の黄ばみ、何とか防ぐ方法はないのでしょうか。
- 着色しやすい食べ物や飲み物を摂る際は、その後すぐに歯磨きやうがいをしましょう。これで、着色物質が歯に付着する時間を減らすことができます。
- タバコは極力吸わないようにしてください。健康にもよくありませんし、歯への影響も大きいです。
- 遺伝的に歯が黄ばむ傾向がある方は、定期的に歯科医院でクリーニングを受けましょう。
そして、すでに黄ばんでしまったと感じる方は、歯科医院でのホワイトニングなどの治療を検討することをお勧めします。このような専門の治療によって、歯の色は明るく、自信を取り戻すことができます。
まとめ
歯の色は、自分自身のライフスタイルや遺伝、年齢などさまざまな要因によって変わります。しかし、その多くは予防や対策が可能です。気になる点があれば、早めに歯科医院で相談することも大切です。
皆さんも、健康な歯で美しい笑顔を手に入れましょう。それでは、素敵な一日をお過ごしください。
帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科
医院長 石川