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乳幼児期の食器共有:新しい見解と口腔衛生の重要性

23.09.14(木)

「乳幼児期の食器共有:新しい見解と口腔衛生の重要性」

概要:
乳幼児期における親との食器共有に関する最新の研究結果をもとに、日本口腔衛生学会が新しい見解を発表しました。これまでの常識とは異なるこの新しい情報について、そして子どもの口腔衛生を守るための方法について詳しく解説します。

 

 

親として、子どもの健康を最優先に考えるのは当然のこと。特に、乳幼児期は感染症のリスクが高まる時期であり、親との食器共有による虫歯や感染症のリスクについて懸念する声も多く聞かれました。しかし、最新の研究がその常識を覆す結果をもたらしました。

2023年8月31日、日本口腔衛生学会は新しい見解を発表。それによると、生後4ヶ月の時点で、母親の口腔細菌が子どもに伝播していることが確認されています。食器の共有は離乳食開始時期の生後5、6か月ごろから始まることが多いですが、それ以前から親から子どもへの細菌の感染は既に起こっているのです。

実は、日常のスキンシップを通じて、子どもは親の唾液に頻繁に接触しています。そのため、食器の共有を避けることで口腔細菌の感染を防ぐという考え方は、必ずしも正確ではないというのが新しい見解です。

つまり、日々のスキンシップで子どもは親の唾液に接触をしています。そのため、食器の共有を避けるなどの方法で口腔細菌の感染を防ぐことを気にしすぎる必要はないというのです。

日本口腔衛生学会は、そのような予防策の科学的根拠は必ずしも強いものでなく、「気にしすぎる必要はない」としています。

この発表には多くの親が驚いたことでしょう。しかし、科学的な根拠に基づいたこの新しい見解は、親子の関係や子どもの成長においても重要な意味を持っています。食器の共有を避けることが、子どもの愛情表現を制限する可能性も考えられます。

さらに、食器の共有を避けることで、子どもが様々な細菌や環境に触れる機会が減少すると、免疫システムの発達にも影響が出る可能性が指摘されています。適度な細菌の接触は、子どもの免疫システムを強化する役割も果たしているとの研究結果もあります。

それでは、子どもの口腔衛生を守るためにはどうすればよいのでしょうか。親子のスキンシップは大切にしつつ、子どもの歯が生え始める前から、親が仕上げみがきを行うなどの予防策を講じることが推奨されています。また、定期的な歯科検診や、バランスの良い食事、砂糖の摂取を控えるなどの生活習慣も、口腔衛生を保つ上で非常に重要です。

まとめ
乳幼児期の親との食器共有に関する懸念は理解できますが、新しい研究結果を踏まえると、過度に心配する必要はないことが明らかになりました。子どもの口腔衛生を守るためには、親子のスキンシップを大切にし、適切な予防策を講じることが最も重要です。

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

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