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子育て世代へ:フッ素の知っておきたい効果と使用法(前編)

23.09.08(金)

子供の歯の健康はもちろん大事ですが、大人の歯の健康も非常に重要です。フッ素はそのキーポイントの一つとなります。ここでは、子育て世代に向けたフッ素の効果と使用法について簡潔に解説します。

 

1⃣. フッ素とは?

  1. 基本的な情報:

フッ素は、周期表において原子番号9で表される元素です。その化学記号は「F」とされます。フッ素はハロゲン族の一部で、その性質から他の物質と非常に容易に結合します。

 

  1. 分布と存在:

フッ素は地球の岩石、土壌、水、多くの食品、そして大気に自然に存在します。しかし、純粋なフッ素としての存在は稀で、通常はフッ化物として存在します。例として、飲料水や茶、海産物などには微量のフッ化物が含まれています。

 

  1. 体内での役割:

人体内では、フッ素は主に骨や歯に蓄積されます。フッ素は、歯のエナメル質を強化し、むし歯の予防に効果的であると広く認識されています。また、骨の形成と健康の維持にも関与していると考えられています。

 

  1. フッ素の摂取源:

食事を通じて、私たちは日常的にフッ素を摂取しています。特に、魚や茶、多くの野菜や穀物に微量のフッ素が含まれています。さらに、一部の地域では、むし歯の予防のために飲料水にフッ素が添加されている場合があります。

 

  1. 注意点:

フッ素は適量が重要です。過度な摂取はフルオローシスという状態を引き起こす可能性があり、骨や歯に斑点や変色を引き起こす場合があります。日常の摂取量を適切に管理し、特に子供の場合は過度なフッ素歯磨剤の使用を避けることが推奨されています。

2⃣. フッ素の効果とむし歯予防

1. 歯の質を強化する

 

フッ素は歯のエナメル質(外側の硬い層)に作用して、その構造を強化します。具体的には、エナメル質を形成する主要な成分であるハイドロキシアパタイトが、フッ素イオンと反応してフルオロアパタイトに変わります。フルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトよりも耐酸性に優れているため、酸による侵食(脱灰)を抵抗する能力が高まります。

 

2. 酸による脱灰を修復

 

食事や細菌活動によって口内が酸性になると、エナメル質のカルシウムとリンが溶け出してしまう現象が起こります。これが続くとむし歯になりますが、フッ素はこの溶け出したミネラルを歯に「再石灰化」する手助けをします。この過程でエナメル質は自然に修復され、むし歯の進行が遅延または阻止されます。

 

3. 細菌活動の抑制

 

フッ素はむし歯の主要な原因である細菌(主にミュータンス菌)の活動を抑制する働きもあります。これらの細菌は、砂糖などの炭水化物を代謝して酸を生成します。フッ素はこの酸生成の過程を妨げ、細菌がエナメル質を侵食する能力を低下させます。

 

以上のようなメカニズムによって、フッ素はむし歯の予防に非常に効果的です。しかし、その効果を最大限に引き出すには、適量をしっかりと管理することが必要です。特に子育て中の親としては、子供が過度にフッ素を摂取しないように注意する重要性があります。過剰摂取によって引き起こされるフルオローシスは、歯や骨に損傷を与える可能性があるため、注意が必要です。

次回はフッ素の正しい使用方法と注意点 そして大人も効果ありについてお話します。

 

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

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