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痛くないのに虫歯があるのはなぜ?見えない虫歯の正体と原因を解説

25.10.31(金)

「歯医者さんで『虫歯がありますね』と言われたけれど、全然痛くないんだけど…」

そんな経験はありませんか?虫歯と聞くと、ズキズキとした激しい痛みを想像しがちですが、実は痛みを伴わない虫歯は少なくありません。

この記事では、痛くない虫歯がどのようにしてできるのか、その原因と見つけ方、そして放置するとどうなるのかを詳しく解説します。


 

虫歯が痛くない理由

 

虫歯は、初期段階ではほとんど痛みがありません。虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶かされ始めますが、この段階では歯の表面のエナメル質だけが侵されています。エナメル質には神経がないため、痛みを感じることがないのです。

また、痛くない虫歯の多くは「慢性う蝕」と呼ばれるものです。これは、虫歯の進行が非常にゆっくりで、歯の内部にある神経(歯髄)が、時間をかけて虫歯菌の侵入に備えるため、痛みを感じにくくなっている状態を指します。

自覚症状がないため気づきにくいのが特徴ですが、痛みがないからといって放置するのは危険です。


 

痛くない虫歯を見つけるサイン

 

痛みがないからといって、虫歯に全く兆候がないわけではありません。次のようなサインがないか、鏡でよくチェックしてみましょう。

  • 歯に穴が開いている:歯ブラシが引っかかったり、食べ物が詰まりやすくなったりします。
  • 歯の一部が変色している:健康な歯の色は白から少し黄色みがかった色ですが、虫歯になると黒や茶色に変色することがあります。これは、虫歯菌が作り出す色素が原因です。
  • 詰め物や被せ物の周りが黒ずんでいる:昔治療した銀歯やプラスチックの詰め物と歯の間に隙間ができ、そこから虫歯が再発することがあります。この部分の歯が柔らかくなったり、黒っぽく変色したりしている場合は要注意です。
  • 詰め物や被せ物が取れている:詰め物が取れてしまった場合、その部分の歯が虫歯になっている可能性が高いです。

これらのサインは、自分では見つけにくい場合もあります。特に、奥歯や歯と歯の間、歯と歯茎の境目などは、鏡を使っても確認が難しい場所です。

 

痛くない虫歯を放置するとどうなる?

 

「痛みがないなら、放っておいても大丈夫?」

そう考えるのは危険です。慢性う蝕は進行がゆっくりとはいえ、確実に歯を溶かし続けています。

  • 歯の神経に達する:虫歯が進行して歯の神経まで到達すると、強い痛みや歯茎の腫れなどの症状が現れます。この状態になると、神経を抜く治療(根管治療)が必要になり、治療期間も費用もかさみます。
  • 歯がボロボロになる:歯の大部分が溶けてしまうと、詰め物や被せ物で修復できなくなり、最悪の場合、歯を抜かなければならなくなります。
  • 全身の健康に影響を及ぼす:歯周病と同様、虫歯菌が血管を通じて全身に回ると、糖尿病や心臓病などの全身疾患のリスクを高める可能性があります。

 

痛くない虫歯はなぜできる?

 

慢性う蝕の原因は多岐にわたりますが、特に以下の点が挙げられます。

  • 不十分な歯磨き:磨き残しがあると、歯垢(プラーク)が溜まり、虫歯菌が繁殖しやすい環境になります。
  • 食生活の乱れ:糖分を多く含む食べ物や飲み物を頻繁に摂取すると、口の中が常に酸性に傾き、虫歯ができやすくなります。
  • 過去の治療痕:銀歯や詰め物の劣化によってできたわずかな隙間から、再び虫歯菌が侵入し、内部で進行することがあります。これは「二次う蝕」と呼ばれ、自覚症状がないまま進行することが多いです。

 

虫歯の早期発見には歯科検診が必須

 

痛くない虫歯は、自分ではなかなか見つけることができません。そのため、定期的な歯科検診が非常に重要になります。

歯科医師は、専用の器具やレントゲンを使って、肉眼では見えない小さな虫歯や、過去の治療痕の下に隠れた虫歯を見つけることができます。

虫歯は、早期に発見できれば、歯を削る量も少なく済み、治療にかかる負担も軽くなります。年に数回、定期的に歯科検診を受ける習慣をつけましょう。

虫歯は痛くなってから歯医者に行くのではなく、痛くなる前に予防する、そして見つけることが大切です。

帯広市 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

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