お子様の歯の外傷:知っておくべき5つのポイント
24.02.05(月)
お子様の歯の外傷:知っておくべき5つのポイント
お子様の笑顔は何よりも貴重ですが、遊びの中で起こりがちな歯の外傷は、その笑顔に影を落とすことがあります。歯の外傷は単なる一時的な痛みに留まらず、将来の歯の健康に深刻な影響を与える可能性があります。お子様が転んで歯をぶつけたり、何か硬いものを噛んで歯が欠けたりといった外傷は、決して珍しいことではありません。しかし、適切な処置をせずに放置すると、将来的に歯を失ってしまうなど、深刻な問題に繋がる可能性もあります。
そこで今回は、お子様の歯の外傷について、知っておくべき5つのポイントをご紹介します。
- 外傷の種類と症状
お子様の歯の外傷は、その状況や影響によって、大きく以下の5種類に分類されます。
- 歯が欠けた:この外傷は、お子様が硬い食べ物を噛んだり、何かにぶつかったりしたときに起こりやすいです。歯の一部が欠けると、鋭いエッジが口内を傷つける可能性があり、感染のリスクも高まります。
- 歯がぐらぐらする:転倒や衝撃が原因で、歯がグラグラと動くようになることがあります。これは歯根が部分的に損傷していることを示し、放置すると歯が完全に抜け落ちる可能性があります。
- 歯が折れた:強い衝撃で歯の一部が折れてしまうケースです。これは特に痛みが強く、折れた部分から神経が露出している可能性があるため、迅速な治療が必要です。
- 歯が抜けた:これはお子様の歯の外傷の中でも特に深刻で、歯が完全に抜けてしまうことを指します。これはすぐに対処しなければならない緊急事態であり、適切な処置を施すことで、歯を救うことが可能な場合があります。
- 歯が歯茎の中にめり込んだ:非常に強い衝撃により、歯が歯茎の中に押し込まれてしまうことがあります。この状態は見た目にもわかりやすく、速やかな治療が必要です。
これらの外傷は、出血、痛み、腫れなどの症状を伴うことがあります。特に、歯の折れたり抜けたりした場合、激しい痛みや出血が見られることが多く、また歯茎の中に歯がめり込んだ場合は、歯茎の腫れや内出血を引き起こすこともあります。これらの外傷は、見た目にも気づきやすく、お子様が違和感や痛みを訴えたときは、すぐに確認し、必要に応じて歯科医院への受診を検討してください。
- 応急処置
お子様の歯に外傷を受けた場合は、以下の応急処置を施しましょう。
- 出血している場合は止血する:清潔なガーゼで出血部位を軽く押さえて止血します。
- 歯が欠けた場合は破片を探す:破片が見つかった場合は、牛乳に浸して歯科医院へ持っていきましょう。
- 歯がグラグラしている場合は固定する:スプリント(歯を一時的に固定する装置)と呼ばれる装置を使って、歯を固定します。
- 歯が折れた場合は破片を保護する:破片をティッシュなどで包み、口の中に含ませて歯科医院へ持っていきましょう。
- 歯が抜けた場合は保存する:歯を牛乳に浸して、歯科医院へ持っていきましょう。
- 歯がめり込んだ場合は無理に戻さない:無理に戻そうとすると、歯根が傷つく可能性があります。
- 歯科医院での治療
応急処置を施した後、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。歯科医院では、以下の治療が行われます。
- 歯の状態を検査する:レントゲン写真などを撮影して、歯の状態を詳しく検査します。
- 歯を元の位置に戻す:グラグラしている歯や、めり込んだ歯を元の位置に戻します。
- 破損した歯を修復する:欠けた歯や折れた歯を修復します。
- 神経の治療を行う:神経が損傷している場合は、神経の治療を行います。
- 後遺症の可能性
外傷を受けた歯は、将来的に以下の後遺症が現れる可能性があります。
- 歯の変色:歯が変色したり、黒ずんだりすることがあります。
- 歯の神経壊死:神経が死んでしまい、歯が痛まなくなったり、歯茎が腫れたりすることがあります。
- 歯の喪失:重度の外傷の場合は、歯を失ってしまうことがあります。
- 外傷の予防
お子様の歯の外傷を予防するには、以下のことに気をつけましょう。
- 転倒防止対策をする:滑りやすい場所には注意し、転倒防止柵などを設置する。
- スポーツをする時はマウスガードを着用する:スポーツ中に歯をぶつけるのを防ぐために、マウスガードを着用する。
- 硬いものを噛まないように注意する:硬いものを噛むと歯が欠けたり、折れたりする可能性があります。
まとめ
お子様の歯の外傷は、適切な処置をせずに放置すると、将来的に深刻な問題に繋がる可能性があります。外傷を受けた場合は、できるだけ早く歯科医院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
また、日頃から転倒防止対策やマウスガードの着用など、外傷の予防に努めましょう。
帯広 帯広市 いしかわ歯科
歯医者 歯科 歯学博士 歯科医師
医院長 石川