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舌小帯異常てなんでしょう?

23.09.10(日)

「舌小帯とは、舌の下面から下顎の歯肉の内側に連続している索状のひだのことを指します。この舌小帯が短すぎる、または舌の先端まで伸びている状態を舌小帯異常(舌小帯短縮症や舌癒着症)と呼びます。

舌小帯異常について説明します。

 

  1. 舌小帯異常とその影響

舌小帯異常があると、舌の動きが制限されることがあります。これが原因で、以下のような問題が起こることがあります。

 

授乳障害

発音障害

咀嚼障害、歯並びの乱れ

  1. 舌小帯異常の原因

 

先天性の原因:

胎児の発達過程:胎児の舌は初め、口の底部と一体化しています。妊娠が進行すると、舌小帯が形成される過程で不完全な分化が起こることがあります。

遺伝:舌小帯異常が家族的に見られることがある。遺伝子の変異や家族内の環境要因が関与する可能性が考えられます。

後天性の原因:

外傷や事故:顎や舌への外傷が舌小帯の異常を引き起こすことがあります。

手術や治療の結果:口腔内での手術や治療により、舌小帯に瘢痕組織が生じることがあります。

  1. 舌小帯異常の診断方法

舌小帯異常は臨床的検査を通じて診断されます。医師は口腔内を観察し、必要に応じて超音波やMRIを使用して詳しい検査を行います。

 

  1. 症状とその影響

 

授乳困難:舌小帯が短いために乳首を適切に吸えない場合があり、これにより乳の摂取が不足することが考えられます。

発音障害:「た」「さ」「ら」などの音の発音が不明瞭になることがある。

咀嚼障害:舌の動きの制限から、食物の咀嚼や飲み込みが困難になることがある。

歯並びの乱れ:舌が適切な圧力を上顎にかけられないため、歯並びが乱れることがあります。

舌小帯異常の症状は個人差があります。適切な診断と治療を受ければ、多くの症状は改善することが可能です。」

③. 診断

舌小帯異常の診断は、主に臨床検査により行われます。医師は口の中を直接観察し、舌の動きや形状を確認します。重度の場合、舌の先端がハート形になることがあり、これが診断の手がかりとなります。

 

診断のプロセス:

 

問診:患者の医療歴、症状、特に授乳や発音、食事の際の問題を詳しく確認します。母親からの情報、例えば授乳時の困難や頻繁な泣き声も参考にします。

 

口腔内の観察:医師は口の中を詳しく観察し、舌を上げたり前に突き出した際の舌小帯の長さや位置を確認します。

 

舌の動きの確認:舌の動きをテストし、その上下左右の動きや、舌の先端が上顎や下顎のどの程度に達するかを確認します。

 

ハート形の舌の確認:重度の舌小帯異常で舌の先端がハート形になっている場合、これを注意深く確認します。

 

機能テスト:舌の機能を評価するテストも行われることがあり、赤ちゃんの場合は乳首の吸引の強さや効果性をテストすることが考えられます。

 

追加的な診断手法:

 

画像診断:舌小帯異常の診断には通常画像診断は必要ありませんが、舌や口腔の他の異常を確認するため、X線やMRIが利用されることがあります。

 

専門家の意見:必要に応じて、耳鼻咽喉科医、歯科医、言語療法士などの専門家の意見を求めます。

 

最終的に、これらの診断手法から得られた情報に基づき、医師は舌小帯異常の有無や重度を判断します。治療の適応や必要性も、この診断結果に基づき決定されます。

④. 治療

 

舌小帯切開術(フレネクトミー):最も一般的な治療方法として知られるこの手術では、短い舌小帯を切開し、舌の動きを向上させます。手術の所要時間は短く、ほとんどの場合、合併症は生じません。

ストレッチングや言語療法:舌小帯がわずかに短い場合、手術を避けて舌のストレッチングや言語療法を通じて舌の動きを改善することも可能です。

⑤. 予後

 

手術後の即時の結果:手術直後には、多くの患者が舌の動きが向上します。これにより、授乳や食事の問題が大幅に改善されることが多いです。

長期的な結果とトレーニングの必要性:手術後のリハビリやトレーニングは、正確な発音や適切な咀嚼の技術を習得するために重要です。

早期治療の利点:早期の診断と治療は、将来的な発音や食事の問題を予防するために重要です。

⑥. 予防

 

予防に関して:舌小帯異常は先天的な原因によることが多いため、発生を完全に防ぐ方法は確立されていません。

新生児期や乳児期の観察:新生児の授乳の様子や舌の動きを観察することは、早期に舌小帯異常を発見するために重要です。

定期的な健診:乳幼児期の健診で、医師に舌の動きや形状をチェックしてもらうことは、早期発見に役立ちます。

発音の監視:子供の発音を監視し、異常があれば早めに対処することが必要です。

教育と情報共有:舌小帯異常に関する知識の共有は、早期発見と適切な対応のために重要です。

最後に、舌小帯異常の適切な診断と治療は、多くの問題を解消し、長期的な影響を最小限に抑えることができます。

 

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

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