目次
- キシリトールとは?
- キシリトールの安全性と認可
- キシリトールと虫歯菌の関係
- キシリトールの再石灰化効果
- 効果的な使用方法
- 使用後のケア
- 注意点
- まとめ
1. キシリトールとは?
キシリトールは、白樺や樫などの木から取れるキシランヘミセルロースという糖分を原料に工業的に作られています。ソルビトールやマルチトースと同じ糖アルコールの一種で、イチゴなどの果物にも含まれています。砂糖と同じ程度の甘さを持ち、口に含むと冷たい感覚があるため、チューイングガムやタブレットに広く使用されています。
2. キシリトールの安全性と認可
1997年4月、日本では厚生労働省により食品添加物として認可され、国連食糧農業機関(FAO)や世界保健機構(WHO)もその効果を認めています。特に虫歯予防において、その効果が注目されています。
3. キシリトールと虫歯菌の関係
虫歯菌(特にミュータンス菌)は糖分を分解して酸を作り出し、これが歯の表面を溶かして虫歯の原因となります。しかし、キシリトールはミュータンス菌によって分解されないため、酸を作らせません。さらに、キシリトールは甘みが強いため、唾液の分泌を促進します。
ミュータンス菌はキシリトールを取り込みますが、利用できないため再び排出する必要があります。このエネルギーの無駄遣いにより、ミュータンス菌の増殖やプラーク形成が抑えられるのです。
4. キシリトールの再石灰化効果
キシリトールとカルシウムが結合すると、歯の表層に浸透し再石灰化を促進します。これにより、歯が硬くなる効果が期待できます。
5. 効果的な使用方法
キシリトールの虫歯予防効果を最大限に引き出すためには、以下の条件が重要です:
- キシリトールが50%以上配合されていること
- 砂糖が含まれていないこと
これらの条件を満たしたチューイングガムやタブレットを1日3回、3ヶ月以上継続して使用することが推奨されます。購入の際はパッケージに記載された成分表を確認し、キシリトールの割合が50%以上であること、糖類が含まれていないことを確認してください。
6. 使用後のケア
食後にキシリトール入りのガムやタブレットを摂取した後に歯磨きをすることが効果的です。歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシを使用し、噛むところや歯の根元には歯ブラシの毛先がしっかりと当たるように丁寧に磨きましょう。
7. 注意点
キシリトールを使用しているからといって、完全に虫歯を防げるわけではありません。また、プラークが完全に無くなるわけでもありません。しっかりとした口腔ケアを続けることが大切です。
8. まとめ
キシリトールは、その特性から虫歯予防に非常に効果的な成分です。ミュータンス菌の酸生成を防ぎ、再石灰化を促進することで歯の健康を守ります。しかし、キシリトールだけに頼るのではなく、日々の正しい口腔ケアが重要です。キシリトールの効果を最大限に引き出し、健康な歯を保つために、日々のケアに取り入れてみてください。
帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科
医院長 石川
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