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妊婦のための口腔ケアガイド:妊娠中の歯の健康を守る方法

24.08.07(水)

目次

  1. 妊娠初期の口腔ケア
  2. つわりが終わり安定した時期の口腔ケア
  3. 口腔内の健康がよくないことで起こる事
  4. まとめ

妊娠初期の口腔ケア

懐妊してからの初期では、悪阻(つわり)や嘔吐などで体が非常に辛くなる方がいらっしゃいます。このような体調の中で、妊娠前と同じ状態で口腔内の健康を維持するのは難しい場合があります。

また、妊娠後期になるとお腹が大きくなり、内臓が圧迫されるため1回の食事の量が制限され、食事の回数が増えることになります。

妊娠期間を通して口腔内の健康を維持するためにはどうすれば良いのかについて、述べてみたいと思います。

妊娠初期

悪阻がある場合、歯ブラシを口の中に入れるのが非常に辛いことと思います。もし歯ブラシを入れることができるのであれば、ヘッドが小さめの歯ブラシを使うことをお勧めします。これは、口に入れる物の異物感を少しでも減らし、体への負担を軽減するためです。

また、歯を磨く際には顔をやや下に向け、唾液や歯磨き粉が喉に溜まらないようにすると良いでしょう。歯磨き粉を選ぶ際には、香りの少ない、あるいは無香料のタイプ、味がついていないタイプ、泡立ちが少ないタイプを選ぶことで、歯磨き中の刺激を少なくし、口腔内の手入れがしやすくなります。

歯ブラシを入れることが難しいほどの悪阻がある場合は、食後にすぐ口をゆすぐことで、食後の残留物を洗い流しましょう。嘔吐の後は、胃液によって口腔内が酸性になっているため、口をすすいで洗い流してください。胃酸によって歯が溶ける酸蝕症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

つわりが終わり安定した時期の口腔ケア

つわりが終わり、食事が美味しく摂れるようになった時期には、口腔内のお手入れをしっかりと行えるようになります。妊娠中はホルモンの変化により歯茎が腫れやすくなります。いわゆる妊娠性歯肉炎・歯周炎と言われます。歯茎が腫れると歯の表面に付着した歯垢が取りにくくなり、長期間残ると歯石となり、さらに歯垢が付着して悪循環になります。

妊娠性歯肉炎・歯周炎は出産後しばらくすると正常な歯茎に戻りますが、妊娠中の歯肉炎や歯周炎によって元々あった歯周炎が進行することもあります。しっかりとした口腔ケアを継続することで、妊娠性歯肉炎・歯周炎を軽減することが大切です。また、体調が安定した時期に歯科医院に行き、口腔内のチェックやクリーニングを受けることも、健康な口腔状態を維持する秘訣です。

口腔内の健康がよくないことで起こる事

歯肉炎や歯周炎が進行している場合、早産や低体重児の出産のリスクが2倍から4倍高くなることが報告されています。また、出産後のお子様の口腔内には虫歯菌は存在しませんが、歯が生えてくると主な保育者(多くは母親)の口腔内の細菌が定着します。主な保育者の口腔内の健康状態が良好であれば、虫歯菌が少ない状態であれば、お子様の成長に伴う虫歯の発生を少なくできるという報告もあります。

妊娠に伴う体調の変化や嗜好品の変化、口腔内の唾液の変化などにより虫歯や歯周病のリスクは高くなりますが、できる範囲内でのしっかりとした口腔ケアによってある程度予防することが可能です。体の健康と口腔の健康を保ち、安心して出産を迎えていただければと思います。

まとめ

妊娠中の口腔ケアは、母体と赤ちゃんの健康に直結する重要な要素です。つわりや体調の変化により、歯磨きが難しい時期もありますが、ヘッドの小さな歯ブラシや無香料・低泡タイプの歯磨き粉を使うなど、工夫を凝らすことで対策が可能です。悪阻がひどい場合には、食後の口すすぎを徹底し、胃酸による酸蝕症を防ぎましょう。

つわりが終わり安定期に入ったら、定期的な口腔ケアを怠らず、歯科医院でのチェックやクリーニングも受けることが推奨されます。妊娠性歯肉炎や歯周炎のリスクが高まるため、特に注意が必要です。

口腔内の健康が悪化すると、早産や低体重児出産のリスクが高まるほか、出産後の赤ちゃんの口腔内環境にも影響を与える可能性があります。妊娠中のしっかりとした口腔ケアが、母体と赤ちゃんの健康を守る鍵となります。できる範囲での予防とケアを心掛け、安心して出産を迎えられるようにしましょう。

帯広 歯科 歯学博士 歯科医師 いしかわ歯科

医院長 石川

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